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樹木医日記

樹木医日記 ~木々との語らい~ No.75〜

「 大切な樹木と共に生きよう ~土壌のスペシャリスト植栽基盤診断士~ 」        

倒木した樹木(台風の突風が原因)
今回は土壌のスペシャリスト植栽基盤診断士についてお話しします。

突然ですが皆様、樹木が枯れる原因をどれくらい知っていますか。

樹木が枯れる原因はいくつかあります。

カミキリ虫やカイガラムシが原因の害虫の被害や、バラ等で繁殖してしまう黒点病や、キノコが出て枝や幹が腐朽して枯れてしまうなどの病気はご存知かもしれません。

落雷や突風により、折れたり倒れたりして枯れてしまう、外的損傷によるものも最近は多く見られます。

その他にも、不適切な剪定による樹木の衰退や、乾燥時の水切れ、ヤブカラシやクズなどが繁茂し樹木の表面を覆いつくし光合成が出来なくなり、酷い場合枯れてしまうことなんかもあります。

しかし、見落としがちですがもう一つ着目して頂きたい点があります。

それは、植物の生育環境、特に土壌です。
植物の生育不良は、植えられている土壌の状態に原因がある場合が多いのです。

地上部の目に見える葉や幹、枝の異常は目視で確認できるので比較的早期に容易に発見・対処できるのですが、地中にある目に見えない要因が、樹木の枯れる原因の多くを占めているとしたら、、、。

今回は日ごろあまり意識しない足もとに目線を向けてみたい思います。


日本造園建設業協会HPより
根の健全な生育を支えているのが、土壌です。
ご存知の通り土壌は、植物の重要な住環境です。
専門的には植栽基盤と言います。

最近大切な庭の樹が弱ってきたなぁ、枯枝も増えてきたし。
でも病気も虫もついてないみたいだけどなぁ

こんな樹木が身近にありませんか?
もしかしたら、植栽基盤に問題があるのかもしれません。



紋羽病で根が傷み枯れた樹木(レッドロビン)
根の生育不良は人間で例えるなら生活習慣病のようなものです。
元気に見える樹木でも日常生活の積み重ねで、ある日突然具合が悪くなってしまうケースもあります。

水はけがわるい、土壌が固い、狭くて根が伸ばせない等の悪条件では根の生活習慣病のリスクは高くなります。

植物が生活している土壌環境は、透水性、科学性、物理性など様々な要因が複合的に絡み合って成り立っていて、自由に動くことのできない植物たちはその土壌環境に依存して生きていかなければならないのです。

植物の置かれている土壌環境が、植物の健全な生育を大きく左右しているのです。

それでは、
「目に見えない土壌環境の状況をどうやって知ればいいの?」
「うちの庭の土壌は大丈夫なの?」
と思われる方もいらっしゃるかと思います。

そこで活躍するのが、植栽基盤断士です。

植栽基盤診断士とは、日本造園協会が認定する資格取得者で、植物が健やかに育ち続けていくための、植栽土壌に関わる総合的な知識と卓越した技術を持つスペシャリストです。



日本造園建設業協会HPより
植栽基盤診断士は

①土壌の硬度の判定:土壌の硬さ
②透水性の判定  :水はけのよさ
③科学性判定   :酸度や電気伝導度
④土壌断面の判定 :土壌の構造分析
⑤土性判定    :土色や粒径組織等、土壌の性質

を総合的に調査し、その樹木のおかれている土壌環境を診断、処方の立案をします。

樹木医に並ぶ、植物の住環境のお医者さんのようなものでしょうか。

土壌を調査、診断し、より良い土壌環境を整えるのが植栽土壌診断士なのです。

弊社でも、5名の植栽基盤診断士資格保有者がおり、日々植物の土壌改善に尽力しております。

大切な樹木の健康維持をしたい方、これから大切な樹木を植えようと考えている方、元気のない樹木の樹勢回復をしたい方、是非一度、弊社の土壌のスペシャリストにご相談ください。


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